イメチェン小説

やわらかく流れていくイメージチェンジ:小説 #イメチェン小説

社会人になって結局何すればいいんだろう。
あまりに地道な暮らしぶりになったので僕は、最初そのように相当試行錯誤した。

仕事場に慣れるのにまずは精一杯という側面はあるけれど、大学生時代と比べると相当自分が何もやっていない、無味乾燥な状態でしかないように思って、これではまずいんじゃないかと焦っていたのだ。
しかし、朝きっちり同じ時間に起きて定時まで地道に日々大体同じような仕事をし、決まった時間に帰り、体に差し障りがないように趣味に走る時間を取るよりは寝てしまわないとというような生活が、ほんとに正解であると一年くらい経って分かってきた。

別に何もない。
世の中に広まっているドラマ的な社会人生活は特に起こるものではないということでいいみたいだ。

普通っぽいのでいいのであれば、それはそれでありかもしれない。
自分はそれならやれそうだと思う。

職場にいる柔らかい感じのする長い髪の女性が、ある日髪をカールしてきた。
毛先だけパーマを掛けている感じだ。

素でいてもいつもゆるふわなイメージがしないでもないけど、改めてちゃんとパーマを掛けているのを見てみるとそれとやっぱり違うなと思う。

そういえば、彼女みたいな人を普通OLさんと呼ぶものだっただろうか。
同じ職場で女性の人としてしか皆考えないから、そういったことを忘れていた。

学生をやっていると結局学生というものにどっぷり漬かっていて、そこらへんの用語なんて縁がないといわば思っていた。
でも自分はもうすっかり大人になって、そういう言葉があった所に縁が出来た人になったんだということにやっと気付いてみたりしている。

彼女みたいな人とどう接するかと言えば、普通の会話をして、普通に地道な日々を続けていくということだけだ。

大人というものは結構幼い。
大抵は小学生でも出来るような言葉遣いで仲良く寄り添いあって日常会話をしているだけだし、その実やはりほぼ自分の都合でしか気分が動いていないんじゃないか。

同じ職場の人たちと仲良く出来ていればそれであらかた問題は起きないんだし、そうすると余計そうなってくる。
それと自己研鑽を積むのを怠るようなこととは別だ。

パーマヘアにイメチェンした彼女の髪の先を目が何となく追いかけながら、僕はそういえばもうすぐまた一年が経ちそうなんだっけとだけ考えていた。

このようにして終わっていく毎日とか、一年とか、もし繰り返していったら、僕の一生はどんなものになるんだろうか。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。