映画「ジャンヌ・ダルク」は1999年の作品で、ミラ・ジョヴォヴィッチがジャンヌを演じています。
イングランドと戦っていたフランスは劣勢で窮地に追い込まれていましたが、シャルル七世は神のお告げを聞いたという少女ジャンヌから会いたいという手紙を受け取ります。
そこにはきちんとしたサインすらなく、文字さえ書けない少女が神のお告げを聞くなんて、まさか敵の刺客なのではないかと王の周囲は怪しみます。
しかし、わらにもすがる思いでシャルルは彼女に会ってみることにしました。
シャルルが据えていた替え玉を王ではないと見破り、ジャンヌは王から兵や馬、甲冑を得ます。
ジャンヌは長い金髪を後ろでひとつに編んだ可憐な少女でした。
見ているこちらも彼女が本当に兵を率いて戦うのかと思うほどのあどけなさでしたが、ジャンヌは乗馬も巧みにこなし、男ばかりの兵士たちの中でも物怖じしませんでした。
まず、イングランドに包囲されていたオルレアンを解放するべく戦いを挑むことにしますが、ジャンヌの意見を誰もまともに聞こうとはしません。
「すまないが、あんたのような小娘は……」と言う仲間に、ジャンヌは激怒します。
そして一人で部屋にこもり、「男のようになってやる!」と、自分で髪を切り始めます。
長い髪をバッサリ切ってしまい、怒りのあまりヘアスタイルもめちゃくちゃです。
そこへ同僚がやってきて、「切るならちゃんと切らなきゃ」と、切ってもらうように取り計らいます。
長く伸ばしていた自慢の髪を切って、ショートカットになっても仲間に認めてほしかったジャンヌの覚悟と悲しみが伝わってきました。
イメチェンしてさっぱりとした短髪になったジャンヌは、以前とはまた違った魅力を持っていました。戦闘が始まり、ついにジャンヌたちフランス軍は大勝利をおさめます。
オルレアンに次いでランスも取り戻し、シャルル七世の戴冠式にジャンヌは晴れ晴れとした顔つきで列席します。
しかし、彼女の栄光は長くは続きませんでした。
敵に捕らえられ捕虜となり、裁判で魔女の汚名を着せられ、悲しい最期を迎えることになります。
ジャンヌは長い金髪を切り、短髪で戦うことを選びましたが、そこに彼女の内面の強さが表れていたように思います。
ジャンヌという19歳の少女の短い人生が、くっきりと印象に残る作品でした。