矢沢あいさんの人気コミック「ご近所物語」をご存知でしょうか。
ファッション好きの方なら一度は耳にしたことがあるかと思います。
個性的でお洒落なファッションや世界観がとても素敵な作品です。
この物語の主人公、幸田実可子は専門学校の服飾デザイン科に通うちょっと奇抜でキュートな女の子です。
そんな彼女のヘアチェンジが何とも刺激的で可愛く、また、物語の重要な要素にもなっているのです。
栗色のツインテールがトレードマークの彼女でしたが、ある日突然ブロンドヘアにカラーチェンジしました。
周囲は驚きつつも、可愛らしくよく似合ったそのヘアカラーを褒めてくれます。
作中では、「近頃どーもウツウツしがちな自分に喝を入れるため」として明るく振る舞う姿が描かれています。
このシーンだけ見ると、奇抜な彼女らしい大胆なファッションの一部のように見えますが、本当の意味は別に隠されています。
それは、その後の彼女の母親が語るシーンで明かされます。
母親は娘の突然の変化に驚き、その真相を探ろうと考えを巡らせているうちに気付いたことがありました。
それは、彼女が「ハデなカッコ(格好)をするのは自分を励ますため」だということです。
皆さんも、お洒落をしたり、身に付けるものを変えることで気分が上がるのを感じたことはないでしょうか。
彼女は、その感覚をヘアチェンジで表しているのです。
幼馴染で隣の家に住む男の子、ツトムとの関係性に思い悩み、もやもやと答えの出ない日々を過ごしていたのでしょう。
そんなうじうじと悩む自分に嫌気がさしたのか、思い切ってヘアチェンジをすることでそれを吹き飛ばそうとしているのです。
実際、ヘアチェンジで悩みが解決したわけではないですが、ブロンドヘアに変えた、それだけで明るい気持ちになることができたのです。
さらに、作中で彼女は再度ヘアチェンジをするシーンがあります。
ここではトレードマークのロングヘアのツインテールもばっさりと切り、なんとピンクのベリーショートになったのです。
漫画の主人公が、こんなにもイメージを変えることはなかなかないかと思います。
ですが、さすがお洒落な彼女というところでしょうか、小柄な彼女にはとてもよく似合っていて、とても可愛いのです。
ここでも、彼女は進路について悩んでいるというところで、考えが堂々巡りでいつまでも決めきれないといったもやもやに対してそれを吹き飛ばそうと、また思い切ったイメチェンをしたのです。
可愛い洋服を着てみたり、いつもよりちょっとお洒落をしてみたりすることで気分を上げるのと同じように、ヘアチェンジにも女の子をちょっと元気にしてくれる魔法のような力があるのだと彼女を見ていて感じました。
雨が多く気分が下がりがちな梅雨の時期には、思い切ってヘアチェンジをして気分を晴れやかにしてみるのもいいかもしれません。