私が刈り上げをしたのは、ちょうど高校生になって、
比較的校則のゆるい学校であったため、
それなりにおしゃれを楽しむことのできる環境が整っていたときのことでした。
当時は、エキセントリックな未来人のような奇抜なカラーやヘアスタイルが流行していたこともあり、
人気の美容室に行って、最新のヘアスタイル・ヘアアレンジをすることが一種のステイタスのようにも感じられる時代でした。
そこで、私は長かった髪をばっさりとショートヘアにすることを決め、
アシンメトリーな感じのするカットを施していただくことにしました。
いわゆるカリスマ美容師と呼ばれる美容師さんによって、
私は無事、前髪は厚めにギザギザになるようにしてもらい、
サイドは少し長さを残して、襟足の後ろの部分は刈り上げをしてもらうことにしました。
バリカンを駆使して、きれいに体裁を整えてもらうことができました。
カットした直後、自分の刈り上げを触ってみたところ、
何とも気持ちの良い感触でうれしくなってしまいました。
刈り上げをした際の心境の変化としては、
自分がおしゃれな人の仲間入りをしたように自信に満ち溢れて、毎日のスタイリングが楽しみになりました。
また、ヘアスタイルに合わせてメイクやファッションを楽しむことに没頭するようになり、
もっと素敵になるにはどうすればよいかということを至上命題のようにすることで、生き甲斐のような、日々の張り合いのようなものを手に入れた気持ちでした。
周りの反応としては、親やその世代の人たちからの評判はあまり良いものとは言えませんでした。
女の子なのに、どうしてそんな不思議な髪型をしているのかという目で見られることもありました。
往々にして若者カルチャーは年配者にウケが悪いことはよく理解していたので特に気にもとめることはありませんでした。
お手入れの仕方の変化は随分と変わりました。具体的には、コテと呼ばれるアイロンを使うようになりましたし、
きれいなフォルムを見せるために、ヘアワックスやスプレーを利用するようになりました。
ただし、注意しなければならなかったのは、刈り上げだけでなく、ショートヘア全般に言えることですが、
すぐに伸びてしまって、ラインが崩れてしまうため、頻繁にヘアカットをしなければならないという点でした。
自分自身が刈り上げをしていた経験があるため、今でも刈り上げ女子を目撃すると、変に親近感があります。
私にとって刈り上げは、凛とし、自立心旺盛で、活発なかわいらしい女性をイメージさせてくれるものです。