数年前、フジテレビのドラマ「海月姫」で偶然見かけた印象的なイメチェンシーンがあります。
原作は人気を博した少女漫画で映画化されている作品のため、何度も面白いからと同僚から勧められて見ていたところ、確かにところどころ目に焼き付くような心に残るシーンがいくつかありました。
そのうちの一つが、登場人物のひとりである「まやや」という前髪を目の下まで伸ばしており、ほとんど顔が見えないというキャラクターです。
実写ではあまりにも現実離れして見ていて不自然極まりなかったのですが、その彼女が倒れ込んで前髪の下の顔がのぞいたことから、主人公たちが企画していたファッションショーのモデルに起用されるくだりがありました。
「まやや」演じる内田理央さんのことはあまり知らないのですが、キリッとした派手な顔立ちで、にこりともせず恐いくらいの顔付きでコレクションモデル風にランウェイに立ちポーズを取る姿は、美しく素晴らしかったです。
「まやや」は、上下赤いジャージ、時折奇声を発し、変な指のポーズを取るストレス障害のような設定であったため、イメチェンぶりが凄かったです。
単に不自然な前髪を短く切りそろえたから、ではなく、本格的なモデルさんだったからこその変身ぶりと思えました。
それにしても、この「海月姫」は、なんでそんなに人気があるのだろうとずっと不思議だったのですが、最近少しわかってきました。
心が疲れていたり、殺伐とした環境にいると、こうした癒しや夢の多い世界観に疲れた心が癒されるのかも知れません。
意外にも日本の若い世代を中心に、満たされぬ思いを心に秘めた人たちが多くいたということです・漫画はともかく、映画やドラマがあまりにも不自然で奇想天外なのにも関わらず人気があったという事は、不景気が長く続いていた世相が反映されているのに違いありません。
尚、このストーリー中には、女装美男子キャラが中心人物の一人として登場しています。
そのイメチェンぶりも特筆です。
